幼い頃から親ぐるみでよく遊んでいた大空を好きだと自覚したのは中学一年生。

学区が広く、三校の学校から少しずつ集まってできていた中学校で知らない人間の方が多かった中、容姿の整っていた大空は他校から来た人に大人気だった。

それが気に食わなくて、中学生になってもしょっちゅう二人きりで遊んでいたが、その時は他の誰かといるよりもずっと楽しかった。
俺は大空といるとき、よく笑っている気がする。

仲の良い友達に好きな人ができたといって、どこがどう良いだとかを聞かされるうちに恋というものが何かを知った。

そして、大空が好きなのだと気がついた。

それからは無意識に目で追っていたり、一緒に帰るのが堪らなく嬉しかった。

高校に上がってからは一緒に登下校をすることはなくなったけれど、関わりが多いのには変わりなくて。
そんな環境にホッとして、また嬉しくなった。

でも、留学すれば約一年、そういったことがなくなる。
帰ってきても残り二学期で確実に大空は卒業。
大学に進学、又は就職をしたら、さすがにもう大空との縁も切れてしまうだろう。
そもそも高校まで一緒だったことがすごいと言っていいんじゃないか。