十ヶ月はあまりにも長い。
帰国しても半年程度しか高校にいられない。

留学してみたい自分と、日本に留まっていてもいいのではないかという自分が心の中で葛藤している。

いや、もしかしたら少しだけここに留まっていたいと思う気持ちが勝っているかもしれない。

その理由はわかっていた。

俺は――大空が好きだから。

だからこそ、こんなにも悩んでいるんだ。

ずっと一緒にいられると約束されたわけではないから。

俺にとって大空と一緒にいられる時間は、夢のために必要な留学と天秤にかけて水平になるほど大切なもの。

限りのある時間をどうするか。

焦りがより大きい焦りへと変わる。

それが繰り返されて、この問いに対する答えを見つけられずにいた。