そうじゃないかとは思っていたけれど、言葉にされるとは思わなかった。
言葉にされなければ"そういうことではない"で済ませられたのに。

俺が食べるのを待つ大空は揶揄っているのか、本気なのか悟らせない顔をしていて、その表情が俺の中で何かを壊れさせた。

「じゃ、遠慮なく」

さっきまで恥ずかしかったり、意識しない努力をしていたのにそんなものが急にどうでもよくなってアイスを口に入れた。

「ん。美味いな、このアイス」

大空の言っていた通り爽やかで、アイスの良さとレモンの良さを上手く残している感じがする。

恥ずかしさで火照っていた体も冷えていく。
対して、大空は俺の熱を吸収したかのように顔を赤らめていた。

それが面白くて少し揶揄いたくなる。

「自分でやっておいて照れてるんだ」
「違っ!これは……ひ、日差しが当たって少し暑くて」
「こんなにアイス食べてて冷房も効いてる場所で?つーか、今はあんまり日は差してないけど」

言い返す言葉がなく大空は黙ってしまった。

流石に言い過ぎたか。
逃げ道をつくっておけばよかった。

「……だって……に」
「え?」