まったく、大空は俺の母親かって。

しかし、そう言う大空は恐ろしいほど規則的な生活をしていて彼女も俺なりに体調を崩さない。

まぁ大空に比べたら不規則な生活をしている俺は何も言い返せないというわけだ。

「昨日も変だったし、体調悪かったならそう言ってよ。言わなきゃわかんないんだからさ」

どうやら昨日の俺が大空を置いて帰った件については、体調不良で一刻も早く家に帰りたかったと捉えられていた。
大空が俺を俺を恋愛対象として見ていないことに、家に帰ってまともに動けないくらい傷ついたのだから、あながち間違いではない気もする。

「途中でスポーツドリンクとアイス買ってきたんだ。ほら、このアイス懐かしいでしょ。最近見ないなって思ってたらたまたまあったんだよね」

大空が手に持っていたビニール袋から見覚えのあるアイスが出てくる。

昔、二人でお小遣いを出し合いながら買って食べていたアイス。
二本ついている棒を引っ張ると二つに割れるものだ。
塩バニラ味なのだが、塩が足りないと言って大空の家にあった岩塩をふりかけて怒られたことがある。

「あったね、そんなこと」
「アイスじゃないけど、白米に塩かけて食べるのは今でもたまにやる」
「それはもう、おにぎり」