バックヤードの細い廊下の先に見えた、ドアの隙間から漏れる灯りを見つけて、

「瑞季さんっ!!」

慌ててドアを開ける。

「あっ、若葉くんっ。ハハッ、ごめん!音、びっくりしたよね」

屈んだ状態でこちらを見上げる瑞季さんの足元には、補充用の備品が入った段ボールが、落ちていた。

プラスティックコップや紙ナプキンが入ったそれ。

「何してるんですか」

「いや、ちょっと、踏み台が見つからなかったからそのままコップ取ろうとして。そしたらバランスを崩してしまい、ハハッ」

「ハハッって……」

いつもはしっかりしてるのに、時々こういうところがあるんだよな。

だから……。

ほっとけない。

どこか危なっかしいなって思う。

俺が、一番近くでずっと見ていたいって。