するとレティは両手を胸の下で組んで「はあ...まあつまり俺とは関わりたくなかったって所だよね?1番イヤな相手だって?」
「へっ...?」「だって心でぜーんぶ筒抜けだよ?」
ああっ!そうだった。レティは魔法を極め過ぎたがあまりに人の心が読める『真実の声』を使っていたんだ!
ただしかし原作ではその能力の出番は少なかったため私も忘れてしまっていた最大の壁。
少し姿勢を低くしてレティが問う。「ねえ?ところでなんで俺の名前とか初めましてで知ってる割には俺のこと知らないのかなぁ?って思うんだけどさぁ?」なんとかしないと...誘導されてる...「ああ...えっと...前にっ!知り合いに聞いて...」通じるかな?「...嘘だよね?」
ああダメだこれ。ああ、神よどうにかしてくれ!
私終わってるって!やばいやばい...ここから仲良くは無理!
私は推しと仲良くなんてなれないよ!最前提としてイケメン過ぎる!眩しい!倒れそう!完璧な体型でもう挨拶だけで恋に落ちるわ!美しいしイケメンだしミステリアス最高なんだから!そんな私にとって神にも等しい存在と対等に話せるとでも!?
「ねぇそれは...どういう事かな?」「...はっ!」
レティは形のいい眉をひそめ組んだ両手のうち右手を顎に当てて不思議そうな顔をする
しまった、いつもの推しのいい所を考えまくる悪い癖がっ!
「『オシ』って何...?」「...」
神様ありがとうございます。
「ちょっと、こっち聞いてるのに神に感謝しないで欲しいよ...」
「えっと推しって言うのは...」
意味として頭の中に「好きな人、憧れの人、結婚したい人」と色々浮かんで...あ、ちょっと待ってこれ...
「ふーん...つまり、君は...」
目を細め納得したようにイタズラっぽい笑顔へと変わる私の推し。ああ、全部筒抜けでした。神よ!感謝を返して!私にもっと融通を!