ああ、苦しい。
息が続かない、胸が痛い、意識が薄くなる...
その時、携帯電話の通知が鳴る。
「『魔法学園の下級生』が読めるようになりました!」
ああ、そう言えばまだ読み切れて無いんだよね____

「お..様...お嬢様!」「うわぁあ!起きます起きますっ!」
耳元で大きな声を出され飛び起きる。まったく酷い看護師さんが居たもの...
「今、お嬢様って言った...?」
うん、言ったわ。確かに言った間違いない。もしかして異世界転生!?
「はい、他に誰が居られますでしょうか?」
「ええそ、そうね!」
そうか、つまり私は死んだ...なんか呆気ないな。まあていうか...ここはどこの世界かな?小説の中に転生!とか?それともまったく知らない場所?えへへ...私が女ってことはイケメン主人公とか...!居るのではありませんか...?まさか逆ハーレムとか...
「カリスお嬢様!お早くお着替えください。」
「......えっ?アリーお嬢様?」
「はい、もしかしてお嬢様は何処か悪いでしょうか?」
嘘でしょ...アリーって私が小説で読んでた『魔法学園の下級生』の世界!?しかもアリーというキャラクターは...
『「アリー・カリス 」悪女であり主人公「イース・ブロンス」とヒーロー「ローマウス・レティ」との仲を引き裂こうと企む上級生』やばい...しかも原作ではブロンスへのイジメがレティにバレた事で成敗されてスッキリタイプのざまぁ悪女じゃない!最悪よぉ!どうしてブロンスじゃないの!?アリーは嫌ああ!...そういう風に頭を抱え上を向き呻くアリー・カリスを使用人は冷たい瞳で見下ろしていた。