隣の男性は未だに何が起きたかわからない様子で、おどおどしながら茜を見ている。
「急に会話に入っちゃってすみません。不快な気分にさせてしまったら謝ります。でもなんかムカついたから」
「いえ……自分でもどう話せばいいのかわからなかったので助かりました。それに……庇ってくれて嬉しかったです。ありがとう」
怒られるならまだしも、まさかお礼を言われるとは思わなかったから、びっくりして目を見開いた。
こんなはずじゃなかったんだけどなーーあの会話を聞く前の自分なら、絶対にこんなふうにでしゃばったりしなかった。でもあんな話を聞いたら、放っておけなくなるじゃないーー。
「あなたの気持ち、すごくよくわかるんですよ。私も好きな人のことは気になるし、束縛したくなる……まぁそれが出来ないから、逆に尽くして嫌がられちゃうんだけど」
「そうなんですか……?」
ふと顔を上げると、入口付近で私を探す哲弥の姿が見えた。その表情はどこか面倒くさそうでいて、何か覚悟を決めたようにも見えた。
「次は私の番です」
「えっ……?」
「良かったら聞いていてください。終わった後、慰めてもらえたらありがたいです」
そう呟いた後、哲弥が私の前の席に座った。
「急に会話に入っちゃってすみません。不快な気分にさせてしまったら謝ります。でもなんかムカついたから」
「いえ……自分でもどう話せばいいのかわからなかったので助かりました。それに……庇ってくれて嬉しかったです。ありがとう」
怒られるならまだしも、まさかお礼を言われるとは思わなかったから、びっくりして目を見開いた。
こんなはずじゃなかったんだけどなーーあの会話を聞く前の自分なら、絶対にこんなふうにでしゃばったりしなかった。でもあんな話を聞いたら、放っておけなくなるじゃないーー。
「あなたの気持ち、すごくよくわかるんですよ。私も好きな人のことは気になるし、束縛したくなる……まぁそれが出来ないから、逆に尽くして嫌がられちゃうんだけど」
「そうなんですか……?」
ふと顔を上げると、入口付近で私を探す哲弥の姿が見えた。その表情はどこか面倒くさそうでいて、何か覚悟を決めたようにも見えた。
「次は私の番です」
「えっ……?」
「良かったら聞いていてください。終わった後、慰めてもらえたらありがたいです」
そう呟いた後、哲弥が私の前の席に座った。