「それはベッド? それともベッドの外?」
「両方って言ったら嫌? それにもし茜さんさえ良ければ、その……僕を束縛してみませんか? 僕も同じくらい束縛しちゃうかもしれないけど」

 優しくて甘い声で何をいうのかと思えば、まさかの言葉に思わずドキドキしてしまう。

「うふふ、それって全てが最高。でもちゃんとした言葉が聞きたいな。セフレになる気はないから」
「セフレ⁈ 違うよ! ちゃんと付き合いたいって思ったから言ってる」

 昨日は最低の一日になると思っていたのに、今までで一番最高の日になった。出会いってどこにあるのかわからないから不思議。

 もう心の痛みは感じない。きっと誠さんも同じはず。だってこんなにピタリと合う人に出会えたから。

「あのさ……こういうのって初めてなんだ」
「どういうの?」
「ワンナイトから始まる恋。たった一晩で、茜さんをめちゃくちゃ好きになったって言ったら引く?」

 ドキッとした。こんなに嬉しい告白があるんだって初めて知った。それと同時に誠さんにキスがしたくなるの同時に、体の奥が熱くなっていく。

「私、普段はこんなじゃないの。付き合った人としかしたことないし、こんなの初めて」
「俺も。だからちょっとそわそわしてた。もしこれで終わりだったらどうしようって」

 胸がキュンと熱くなって、彼の体に足を巻きつけた。

「……誠さんがそんなこと言うから、体に火がついちゃったじゃない」

 誠さんは驚きと照れからか、真っ赤になって笑い出す。

「それは大変だ。鎮火するために、もう一度愛し合わないとーー」

 誠さんの優しくて熱いキスが降ってくる。

「茜さん、好きだよ。一晩なんかじゃ終わらせない」
「うん、私も好き。一晩なんかじゃ足りないの」
「あの、良かったら"まーくん"って呼んでほしいかも。かなり僕のツボに入ったから」
「あはは! それは意外だった。でも……いいよ、もっとしよう、まーくん」

 私たちの愛は若干強めかもしれないけど、その愛を互いに求めて、受け止められる人と出会えた気がする。

 どうやら私、痛みも愛も分かち合える人と最高の一夜を過ごせたたみたい。こんなに素敵な夜はきっと一生に一度。私たちの熱い恋はまだ始まったばかりーー。