人生で初めての恋をしたのは、大学生になってからだった。それまでは、「恋」と呼べる「好き」という感情を抱いてはいなかった。だから、友達の恋バナを聞いてもあまり共感が出来なかった。でも、大学生になり、彼と出会ってからは、だんだんと友達が言っていた感情に近づいていった。
「初めまして」
　私と会った時、進んで声をかけてくれた。その時の彼の優しい笑顔は、今でも脳裏に焼き付いている。
「初めまして、白取三雪と申します」
　変に緊張して体が固まっているけれど、彼は柔らかに微笑んだ。
「三雪さん、素敵な名前ですね」
「そうですかね……」
　なぜかこの人といると顔が熱くなって、照れてしまう。ああ、きっとこれが「恋」なのだ。
　そう考えると、居ても立っても居られなくなって、「この人と付き合い」という思いが芽生えた。
　私の恋は初めてとは思えないほど順調に進み、彼との仲を深めて行った。そして、3回目のデートの日、私は彼に告白され、初恋の人と付き合うことになった。