「確かにここの本の量は膨大だ。しかし俺の鼻は優秀だからな。どの本にどんなことが書かれているか、すぐ分かる。入ってきた本は全部チェックしているから、間違いない。怪しげな本もなければ怪しげな文書が挟まっている可能性もない。断言できるぞ」
自信満々に言うタムに、彼女は疑いの目を向けた。
「怪しげな本はないと言っても黒魔術の本はあるわけでしょ。それだって怪しげな本じゃない」
「それはある意味怪しげな本だが、しかしおまえさんの言っている怪しげな本というのは、パーリヤが何かしらこさえたものという意味だろうが。本が新しく入って来た時に、必ず俺が臭いをかぎとっている。しかしその中にパーリヤの臭いをまとった本は一冊だってなかった」
断言するタムに、やっぱりまだ納得いかなそうなフローラ姫は、更に尋ねた。
「確かにあなたの言う通りだったとしてよ、あなたがこの図書室の管理を任される前の本までは分からないんじゃないかしら」
「その心配はない。この図書室ができた当初から俺が管理しているからな」
フローラ姫は目を見開き驚いた。
「それって魔女の塔ができた時からってこと?」
「ああ、そうだ」
「あなたいくつなの?!」
「まあ、かなり高齢なのは確かだなあ」
「高齢っていうより千年は生きていることになるわよ」
タムは笑って答えた。
「おまえさんの言う通りだ」
それを聞いたカトリーヌも驚きの表情を浮かべて、呟いた。
「タムの年齢初めて知りました。そんなに長生きしているとは思いませんでした」
「カトリーヌに年齢を訊かれたことはなかったからな」
そう言ってタムは高らかに笑った。
「ご高齢もご高齢過ぎるでしょ」
「そもそも魔法使い自体が高齢だからな。その使い魔だって高齢なのは当たり前だろ。どうでもいいが、そなたの母親だった王妃は、魔法使いだったという話だが、その血を受け継いでいる王女なら、それくらいは知ってておかしくないんじゃないか」
タムの言葉に、フローラ姫は頬をぷうっと膨らませた。
「悪かったわね。知識がなくて。でもねえ、私は魔法とは無縁なのよ。母は、母。私は私よ!」
息まいて意見を主張するフローラ姫に、カトリーヌは驚きの視線を投げた。
「えっ! 王妃様って魔法が使えたのですか」
「そうよ。私の母はずいぶん前に亡くなったけど、話によると魔法使いだったらしいわ」
自信満々に言うタムに、彼女は疑いの目を向けた。
「怪しげな本はないと言っても黒魔術の本はあるわけでしょ。それだって怪しげな本じゃない」
「それはある意味怪しげな本だが、しかしおまえさんの言っている怪しげな本というのは、パーリヤが何かしらこさえたものという意味だろうが。本が新しく入って来た時に、必ず俺が臭いをかぎとっている。しかしその中にパーリヤの臭いをまとった本は一冊だってなかった」
断言するタムに、やっぱりまだ納得いかなそうなフローラ姫は、更に尋ねた。
「確かにあなたの言う通りだったとしてよ、あなたがこの図書室の管理を任される前の本までは分からないんじゃないかしら」
「その心配はない。この図書室ができた当初から俺が管理しているからな」
フローラ姫は目を見開き驚いた。
「それって魔女の塔ができた時からってこと?」
「ああ、そうだ」
「あなたいくつなの?!」
「まあ、かなり高齢なのは確かだなあ」
「高齢っていうより千年は生きていることになるわよ」
タムは笑って答えた。
「おまえさんの言う通りだ」
それを聞いたカトリーヌも驚きの表情を浮かべて、呟いた。
「タムの年齢初めて知りました。そんなに長生きしているとは思いませんでした」
「カトリーヌに年齢を訊かれたことはなかったからな」
そう言ってタムは高らかに笑った。
「ご高齢もご高齢過ぎるでしょ」
「そもそも魔法使い自体が高齢だからな。その使い魔だって高齢なのは当たり前だろ。どうでもいいが、そなたの母親だった王妃は、魔法使いだったという話だが、その血を受け継いでいる王女なら、それくらいは知ってておかしくないんじゃないか」
タムの言葉に、フローラ姫は頬をぷうっと膨らませた。
「悪かったわね。知識がなくて。でもねえ、私は魔法とは無縁なのよ。母は、母。私は私よ!」
息まいて意見を主張するフローラ姫に、カトリーヌは驚きの視線を投げた。
「えっ! 王妃様って魔法が使えたのですか」
「そうよ。私の母はずいぶん前に亡くなったけど、話によると魔法使いだったらしいわ」