「駿ちゃんも在宅なんだ?」
「ある程度、自由の利く仕事を選んだからね。花菜ちゃん一人だと、少し散歩したくなっても迷子になるかもしれないし。すぐに助けられるように、出来るだけ家にいるようにしてる」
「…なんか、ほんと色々ごめんね」
いくら融通が利くと言っても、仕事だとどうしてもって時があるはずなのに、私を気遣って傍にいてくれるなんて申し訳ない。
「謝ることなんてないよ。僕がそうしたくてしてるんだから」
駿ちゃんは心からそう思っているようで、私はホッと胸を撫でおろす。
「ありがとう。…あ、そういえば、お母さんたちって実家にいるのかな?」
きっと私がこんな状態になってすごく心配しているに違いない。
「…うん、元気にしてるみたいだよ」
「そうなんだ。後で電話してみようかな」
「あー、でも、今仕事が忙しいって言ってたから出られないかも」
「そっか。相変わらず二人とも忙しいんだね」
うちの両親は共働きで忙しく、ほとんど家にいなかった。