「花菜ちゃん、好きだよ。ずっとずっと大好き」

「私も、ずっと大好きだよ」

不意に駿ちゃんの顔が近づくと、私は自然と目を閉じる。

今日の私にとっての初めてのキスは、しょっぱい塩味だった。

その後、何だかお互いに照れ臭くなってしまって、それを誤魔化すためにまた仕事に集中し始めた。


「…よしっ、終わった~!」

最後の文章を打ち終わると、背伸びをして凝りを解す。

駿ちゃんもちょうど終わったようでスマホの時間を見て見ると、午後の13時を回っていた。

「これからどうしようか」

「う~ん、今日は映画に行きたいな」

「じゃあ、今何やってるか見てみようか」

駿ちゃんが近くの映画館の上映予定スケジュールをスマホで見て見ると、二人で見ようと約束していた映画が再上映していた。