『もうすぐ着くよ』
僕は鈴花という女性にメッセージを送る。
僕と彼女は付き合っている。
『分かった!
半年ぶりだね!
会えるの楽しみ!』
着陸した飛行機から降り、預けていた荷物を受け取る。
久しぶりのこの場所が少し懐かしい。
改札を抜ける。
『電車乗ったよ』
『はぁい』
電車に揺られながら約20分。待ち合わせ場所の最寄り駅。
スマホと財布だけを手元に残し、あとはすべてコインロッカーに預ける。
今年20歳で同い年の彼女とはSNSで知り合い、付き合うまで至った。もうすぐ1年。
『着いたよ
どこいる?』
『大鳴神社にいるよ』
写真が1枚送られてくる。
神社を背景にセンター分けした金髪の彼女。
ストリート系の服がよく似合うかっこいい印象だ。
『ここにいるよ』
『了解』
とは言いつつ、背景だけでは場所は分からないのでスマホで大鳴神社と検索する。
「少し歩くな……」
彼女の待つ目的地は徒歩10分ほどのところにあった。
口を開いてても目的地には着かないので黙って歩き始めた。
幸いにも東口を出て道なりに進むだけで複雑な道ではなかった。
「お待たせ、鈴花さん」
「天音くんおはよう」
桔梗天音が僕の名前。
「髪染めた?」
「うん。鈴花さんに久しぶりに会うから」
鈴花さんと会う数日前に切ってもらった。
今回は襟足だけ紫のショートウルフ。
「かっこいいね」
「ありがとう。鈴花さんもかっこかわいいよ」
鈴花さんは、知ってるといいつつも少し口元が緩んでいた。
「花火、19:30からだよね」
「うん」
「ちょっと早くない?」
時刻は18:00。
「屋台まわりたかったから」
「なるほどね。じゃあ行こうか」
手を握って歩き始める。
「何食べたいの?」
「いちごあめ食べたい」
鈴花さんは迷うことなく真っすぐに歩く。
「こっちにあるの?」
「わかんないけど去年はこっちにあった」
並んだ屋台の道の端まで来たが目的のものはなかった。
「今年はないのかな」
「反対側行く?」
「うん」
反対の端まで行くことに。
「いちごあめ好きなの?」
「うん。甘くておいしいじゃん」
彼女は見た目からは想像できないくらい甘党だ。
鳥居の前を通り過ぎようとしたときだった。
「あった」
「買ってくる?」
「うん」
手を離し、スタスタと鈴花さんは出店の前まで行く。
そして、5個のいちごが串に刺さったあめを2本を持って戻ってきた。
「やっぱりタコ焼きも買いに行ってもいい?」
「いいよ」
「ごめんね。連れまわしちゃって」
「全然いいよ」
食べ合わせはどうかと思うけどよく食べる。だけどスタイルがいい。
なんでこんな人が僕みたいな人と付き合ってくれたのかが分からない。
こんな人とお別れしなければいけないなんて――――
「少ししんどいな」
「なんか言った?」
「ううん。何でもないよ」
僕は鈴花という女性にメッセージを送る。
僕と彼女は付き合っている。
『分かった!
半年ぶりだね!
会えるの楽しみ!』
着陸した飛行機から降り、預けていた荷物を受け取る。
久しぶりのこの場所が少し懐かしい。
改札を抜ける。
『電車乗ったよ』
『はぁい』
電車に揺られながら約20分。待ち合わせ場所の最寄り駅。
スマホと財布だけを手元に残し、あとはすべてコインロッカーに預ける。
今年20歳で同い年の彼女とはSNSで知り合い、付き合うまで至った。もうすぐ1年。
『着いたよ
どこいる?』
『大鳴神社にいるよ』
写真が1枚送られてくる。
神社を背景にセンター分けした金髪の彼女。
ストリート系の服がよく似合うかっこいい印象だ。
『ここにいるよ』
『了解』
とは言いつつ、背景だけでは場所は分からないのでスマホで大鳴神社と検索する。
「少し歩くな……」
彼女の待つ目的地は徒歩10分ほどのところにあった。
口を開いてても目的地には着かないので黙って歩き始めた。
幸いにも東口を出て道なりに進むだけで複雑な道ではなかった。
「お待たせ、鈴花さん」
「天音くんおはよう」
桔梗天音が僕の名前。
「髪染めた?」
「うん。鈴花さんに久しぶりに会うから」
鈴花さんと会う数日前に切ってもらった。
今回は襟足だけ紫のショートウルフ。
「かっこいいね」
「ありがとう。鈴花さんもかっこかわいいよ」
鈴花さんは、知ってるといいつつも少し口元が緩んでいた。
「花火、19:30からだよね」
「うん」
「ちょっと早くない?」
時刻は18:00。
「屋台まわりたかったから」
「なるほどね。じゃあ行こうか」
手を握って歩き始める。
「何食べたいの?」
「いちごあめ食べたい」
鈴花さんは迷うことなく真っすぐに歩く。
「こっちにあるの?」
「わかんないけど去年はこっちにあった」
並んだ屋台の道の端まで来たが目的のものはなかった。
「今年はないのかな」
「反対側行く?」
「うん」
反対の端まで行くことに。
「いちごあめ好きなの?」
「うん。甘くておいしいじゃん」
彼女は見た目からは想像できないくらい甘党だ。
鳥居の前を通り過ぎようとしたときだった。
「あった」
「買ってくる?」
「うん」
手を離し、スタスタと鈴花さんは出店の前まで行く。
そして、5個のいちごが串に刺さったあめを2本を持って戻ってきた。
「やっぱりタコ焼きも買いに行ってもいい?」
「いいよ」
「ごめんね。連れまわしちゃって」
「全然いいよ」
食べ合わせはどうかと思うけどよく食べる。だけどスタイルがいい。
なんでこんな人が僕みたいな人と付き合ってくれたのかが分からない。
こんな人とお別れしなければいけないなんて――――
「少ししんどいな」
「なんか言った?」
「ううん。何でもないよ」