「それでは、授業をはっじめまーす!」

海漣(みらん)の明るい声が人気のない空き教室に響く。

相変わらず何も考えてなさそうな顔をしてるが、なにか策でもあるのだろうか。

そう思っていると、控えめにドアがノックされる。

「失礼致します。」

ドアが開く。

声の主は綺麗なお辞儀をしているようで、顔は見えない。

「もー。まだ頭下げてるー。いい加減上げていいんだよ?」

海漣が拗ねたように言う。

この場合は、グッジョブだ。

入ってきた少女が頭を上げる。

少女を見て、私は腰を抜かした。

頭にはもふもふの狐耳が生えている。

また、ふさふさの九尾の狐のようなしっぽも!

それに、蒼い不思議な炎が少女の周りを漂っている。

不知火のようだ。

それに、THE・巫女様っという感じの巫女装束。

極めつけは、顔!!

黒いショートボブのツヤツヤの髪。

黄緑と赤色の大きな目。

可愛すぎる…。

私のテンションは、最高点へと達していた。