「嘘…。」

その呟きは、誰の耳にも届かずに、空気中に溶けて消えた。

私の頭は、真っ白で、熱くなって爆発してしまうくらい、速く、速く、回っていた。

でも、建設的に脳内議論する余裕なんてなかった。

それくらい動揺していた。

実稲(みいね)が…退学!?

突如として宣告された友達との別れ。

受け入れられるはずがなかった。

実稲は、あの子は、私を救ってくれたのに…。

私は、まだあの子を救えてない。

助けなきゃ。

あの日の、大き過ぎる恩を返すために。