「いいだろう、面白い。こんな感じでどうだ?期間は一週間。合否をわかりやすくするため、実践形式にする。比較的弱い穢を私が捕獲してこよう。そいつを(はら)えたら合格だ。逆に、気絶、呪力(しゅりょく)氣力(きりょく)の枯渇、審判など他人の巻き込みをした際は失格になる。大怪我をしても、我々がすぐに回復させよう。心配はいらない。これでどうだ?」

思っていたよりも、具体的な案を返してくれた。

このチャンスを生かさない手はない。

「はい。その条件で構いませんただ、陰陽術(おんみょうじゅつ)の学習環境を整えていただけますでしょうか。流石に、独学ではきついので。」

「そうだな…洞穹(ほらあめ)はどうだ?学年でも上位に入るかなりの実力者だ。もちろん、一週間分の成績はサービスしよう。」

「えっ海漣が?ちょっと意外…。」

「ひどい!やりますよ~先生!!実稲(みいね)は、私が元通りの実力まで引き上げてみせます。」

教師の顔が緩んだ。

「精一杯、やってみろ。私も、亜輝を退学にしたいわけではない。」

「先せ…」

海漣が何かを言いかけるのを、教師が遮る。

「じゃあ、私は失礼しよう。報告があるのでな。また追って連絡する。」

そう言って教師は部屋を出た。

言葉を遮られた海漣は少し不服そうだ。

あの教師も、本当は優しいのだろう。

そう想うと、少し胸が暖かくなった。