「えっ、いいよ!
朔哉だってお仕事あるんだし!!」

「私がしたいからいいんだよ」

……やっぱり朔哉は、凄く過保護だ。
私が人間だから、いろいろ心配なのかな。

目隠しする前に、朔哉は白のふりふりエプロンを私に着けてくれた。

「お仕事、だからね」

見た目はちょっと、大正ロマンみたいで可愛い。
テンション、あがる。

「あと、この鈴はうか様になにか言われても着けてて。
いいね?」

「うん」

今日の私ももちろん、鈴付き。
うか様の屋敷で素顔の誰かに会ってしまわない防止でもある。

「じゃあ行こうか」

目隠しをしてもらい、朔哉に手を引かれて歩く。
鳥居を出たとおぼしき辺りで、今日も抱き抱えられた。

「おっ待たせー!」

昨日と同じと思われる部屋でうか様を待っていたら、朝からハイテンションで現れた。

「心桜の目隠し、外してあげてー」

すぐにするりと目隠しが外され、辺りが見えてくる。
うか様は昨日とはまた別の面だったけど、相変わらずキラキララメラメだった。

「なに?
朔哉に送られてきたの?
ひとりで来なさいよー」

「……ひとりだと、目隠しで目の見えない心桜が困りますので」