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(樋口さん、どこだろう............っ?)



樋口さんが、
向かった方向に向かったハズなのに。



一向に見つからない樋口さん。



もしかして、もう帰っちゃった.........とか?



いや、もしやの、
どこかで倒れている............とか?



色んな思考が頭を駆け巡ったそのとき。



──────グイッ!



と、どこかから、
腕が伸びてきて引き寄せられる体。



そして........................



「あ、やっと見つけてくれた」



密着した状態で、聞き覚えのある、
樋口さんの声が聞こえてきた。



でも、私は。



「〜〜っ、ひ、ぐち、さん、」



初めて呼ぶ、
樋口さんの名前を紡ぐので精一杯。