「ははっ、反応で分かった」



笑いながらそう言う樋口さん。



でも、それよりも何よりも気になるのが。



「〜〜っ、これが、
呼吸がラクになる方法、ですか?」



〝キス〟がそれに当たるかどうかだ。



でも、そうだとしたら、
きっと私は、もっとダメになってしまうのに。



それでも知りたくて、樋口さんを見ると。



「うん。そう。ラクになる1番の方法」



嘘偽りのない、
真っ直ぐな瞳でそう言う樋口さん。



(あぁ、ダメだ............っ、
私が、聞きたくない答えだった、)



こうやって、関わることなんてない立場で、
ワンナイトぐらいしか許されない私たち。



だから、今度、過呼吸になったら、
樋口さん以外を探さないといけないと思う。