東京では車は必要なかったから大学から東京だった真綾は免許を持っていなかった。
お金はそんなに貯金はないし、だから失業保険をしっかりもらってから就職活動をしようかなと思っていたから車を買ってもらえるのは正直ありがたい。
お母さんが仕事から帰ると自動車学校に連れて行ってとお願いした。
お母さんは保険の仕事をバリバリしていて当然安田運送の保険も全部お母さんの担当だ。
それで両親は出会ったと聞いている。
次の日から真綾は教習所に通いだし1ヶ月半で免許を取り安田運送会社の事務員として働くことになった。
引き継ぐ事務員さんに教えてもらいながら若い人達でお祝い会としばらくのお休みの為の送別会と真綾の歓迎会が開かれることになった。
30代くらいのドライバーさんが計画してくれて10人くらいの人数だった。
その人の行きつけのお店で貸切にしてくれて「カンパーイ」と飲み会が始まった。
まだ真綾は全員とは話した事はなくて、1時間ほど経つと隣に1人の男性ドライバーが座った。
「社長の娘?」
「はい」
「俺は秋山淳士(あきやまじゅんじ)」
「よろしくお願いします」
「今まで長距離に乗ってたんだけど来月から4t車に代わるから会えるね」
「そうですね、まだ仕事覚えれてないですけど(笑)」