屋上で花火をした次の日から、凛先輩は部活に来なくなった。もともと、校内は広く、今までに凛先輩を部活の時間以外で見たことがなかった。そして、天文部の部長と言うことしか僕は凛先輩のことを知らなかった。
 僕の頭は、このことでいっぱいになり、授業に集中できなかった。どうしたら凛先輩を見つけられるのか、どうしたら凛先輩と会えるのか、僕はどうしたら良いのか、僕には何一つわからなかった。
 放課後になり、凛先輩のいない部室にとぼとぼ向かう。もともと、天文部に来ていたのは僕と凛先輩だけだったので、僕が部室を占領したようだった。
 そのまま、凛先輩と会えない日が何日も何日も続いた。だけど、僕は毎日、毎日部室に行き、凛先輩が来るのを待っていた。しかし、一人きりの部室はとても寂しく、そして、とても広く感じた。もしかしたら、病気で寝込んでるのかもしれない。もしかしたら、家の事情で休んだり、早く帰っているのかもしれない。こんなことを考えながらただただ、時間だけを消費していった。