今日もいつもと変わらず病院の天井を眺め、目を瞑る。何も考えないように感じないように......。

脳が働いている。口が動いている。人の声が聞こえている。今日も私は正常だ。目が覚めるといつものようなことを考えている。それが私のルーティンであって、そうではいなくてはいけない日常。

トントンッ

そしていつも通りにノックをされる。

「美来さん、おはようございます。朝ごはん持ってきましたよ。」

「いつもありがとうございます。」

今日は和食の料理だった。きちんと栄養バランスもとれていて、色鮮やかな食材ばかりだった。

「今日はお散歩でもどうですか?」

「いえ、大丈夫です。読みたい本があるので」

「分かりました」

「お気持ちだけ頂いておきます」

会話が終わると看護師さんは部屋のドアを閉めて、また1人の空間へとなった。

食事を終えると私はまた天井を見た。いつも通り白くて少し古臭い天井。けどそこには少しの温かさと切なさが感じられた。

今日も同じ日常。風を音を聞き、目を瞑って何も考えないように眠るだけ。いつも通りの出来事。いつも通りの生活。

これからも続くといいな......