「え、うそ。直してきたと思ったのにな…。ちょっとトイレで直してくる!」


「え、ちょっとちょっと。華夜って寝癖とか気にするタイプだったっけ?」



たしかに、今までの私なら「寝癖なんてつばでもつけとけ」って感じに思っていたはずだ。


でも…。



「うん。これからはそういうの気にしよっかなって。せっかく女の子に生まれてきたんだから、可愛いって言われたいもんね」



“24歳看護師の華夜さん”はもうこの世界にいない。


だけど、本当の“華夜(わたし)”はこれからいくらでも変えていけるから。



「先生!」



昨日とは全くの別人のようにポーカーフェイスに戻っている、今日もクールな先生が前から歩いてきた。



「おはようございます!」