魔法が解けてしまうとしても、絶対に…。



「俺は華夜さんを忘れません。あなたに恋をして、あなたと出会えてよかった」



先生が今日一番の笑顔を見せた。


だから私も、泣きそうになるのを必死に堪えながら精一杯の笑顔で返す。



観覧車が地上に戻る頃、魔法が解けてしまう12時の鐘が鳴ったような気がした。





「華夜おはよー。華夜が遅刻なんて珍しいねー」


「昨日夜更かししちゃってさー。目覚ましに気づかなくて、この時間」



お昼の12時を指している時計を指差しながら、あははと笑い飛ばす。



「ちょっと華夜ー。ここ、盛大な寝癖ついてるよ」