私のことを助けてくれた、優しい人。



彼は、困ったような顔はするのに。



無理やり引き離す野蛮なことはしなくって。



あくまで、
言葉中心で伝えてくれる暖かい人。



直感的にそう思って..................



名前なんて知らなくてもいいから、
───この人と出会ったことを忘れたくない。



心の中に確かにある感情に気づいた。



だから...........................



「............っ、ピアス、開けて貰えませんか?」



ピアスなんて開けたことないから。



〝痛い〟かもなんて、
漠然としか想像出来ないけど。



どうしても、彼との繋がりが欲しいと思って。



私は彼の目を見て、必死に訴えかけた。