私の声は、
聞こえるか、聞こえないかぐらいの小さな声。
..............................だったのに。
「そー、分かる?
けっこー、痛かったけど、頑張った!」
私の声は、まさかの聞こえていたみたいで。
そっと自身の耳たぶを触りながら、
自慢するかのように、嬉しそうに微笑む彼。
そんな彼の微笑みに心臓がドキッと跳ねた。
(〜〜っ、ず、ズルいっ、)
心の中でそう思ったとき。
「きみも、ピアス開けてみる?
ははっ、でも無理か高校生ぐらいっぽいし」
私の目を見て、笑ってそう言う彼。
そして...........................
「............っ、こ、高校生ではない、ので、
ピアス、開けて貰えませんか?」
私は緊張しながらも、
──────賭けのような言葉を口にした。