なんだか、まるで、
助けて貰えてなかったことも。
嫌なことを、
ずっと我慢し続けたことも。
きっと、ぜんぶ、
〝彼〟に出会うためにあったのかもしれない。
そう思いながら、
ホットココアのキャップを開けて、ひと口飲んだその時。
──────キランッ
アニメやドラマなら、
そんな効果音がついてもおかしくないレベル。
隣にいる彼の、
耳たぶあたりで、ピアスが光った。
そして........................
「............っ、ピアス、開けてるんですね、」
ペットボトルのキャップを閉めながら、
そう、ひと言ポツリ呟いた。