だから、今日もどうせ同じだろうと。



周りから視線を晒すように。



ギュッと目を瞑って、下を向いた瞬間。



「おじさん、これって痴漢ですよね?」



どこか丁寧な声が聞こえてきて、
それと同時にお尻から離れていった手。



「............っ、」



手が離れた瞬間、私は心底安心した。



〝やっと、私を助けてくれる人がいた〟



そう思えた...............っ。



それも束の間で。



「チッ、てめ!なにしやがる!」



『痴漢ですよね?』
と、指摘した男の人に殴りかかろうとしている、私に痴漢してた人。



(っ、危ないっ!)



心の中でそう思ったのに、
2人の間に割って入れるほどの力はなくて。



そのまま、見ていると........................