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「ん。ちょっと痛いかもだけど、ガマンな?」
棚瀬さんの家のリビング。
私の、必死の訴えに、折れてくれた彼は、
そのまま、私をリビングに連れてきた。
ピアス開けてほしいなんて口走ったけど。
本当は、すっごく怖い。
だから...........................
「............、だいじょうぶ、です、」
私はそう返事をすると、
つい、彼の服の裾を握った。
すると。
「............これは、約束だから、」
ピアスを開けるための道具、
ピアッサーを持ったまま呟く彼。
「やく、そく、ですか?」
彼と何も約束した覚えのない私は、
きょとんとした顔で彼を見上げると。