私は3年2組のスクールカーストの中にも入らせてもらえない存在だった。

インドにもそんな存在があるのかどうか分からなかった。

ツリ目が気に食わない、いじっても面白い返しができない。

じゃあ空気として扱えばいいのに、時折消しカスを投げたり、ゴミを私の机においていってくれたりする。私の小さい頭では理解ができない世界が3年2組という立方体だった。

クラス替えのない小さな田舎に生まれた自分が悪い。世界を変える術すら与えてくれないのだから。
“イジメはダメ”という常識がある。それをみんな知っているからバレないようにギリギリを責める。イジりだから。仲良しだから。
教師だってバカじゃないから私の事案だって知っているはずなのに、改善しないのは、私が大丈夫だという態度を示し続けているからだろう。あと、イジりだから。

大丈夫だという態度を示すのはあと1年というゴールが見えているからというただそれだけだ。それ以上、それ以下でもない。

私は、ただただ石のように動じず、黒板を睨みつけながら1日を過ごす日々を来年3月まで続けるしかない。

戸谷先生にあうまで、本気でそう心に誓っていた。