無我夢中でただ家に真っ直ぐ走った。
走ってるせいなのか胸が苦しい。
家までは20分もないのに、とても長く感じる。
それに加えて、近づけば近づくほど母親に何を言われるのかが怖くなって足を動かすのが遅くなる。
無断で公園に行ってつーくんに会ったことを確実に怒られから。
そしてつーくんから逃げ出した自分の方も怖い。
逃げ出した時は「つーくんがこれ以上傷付かないように」と思っていたがきっと違う。
あれはただ自分がつーくんに拒まれるのが嫌だったから、たとえ嘘でも一緒にいたいと言ってほしかったから。
…つーくんに嫌われたくなかったから
ようやく家の前に着いたが家の扉を開けるのが怖い。
きっと母は怒っているだろう。
けど仕方ない、自分がやったことなのだから。
これぐらいでもう逃げられない。
「ただ今…」
恐る恐る玄関を開けて入る。
開けた先に母はいなかった、リビングにいるのだろう。
リビングをゆっくり覗くと椅子に座っている母親がいた。
何故か部屋の中の荷物が少なく、段ボールがいくつも置いてあった。
「どこ行ってたの?」
母は私に気づくとそう聞いてきた。
「こう…えん…」
私は小さくそう答えた。
「そう…」
母は怒ると思っていたが、短く返事しただけだった。
何故か嫌な予感がした。
何で最近あんなに荒れていた母がこんなに静かなのか。
そしてリビングにある段ボールは何なのか。
気になっていると突然リビングの扉が開いた。
「圭子さんこれで荷物は全部かい?」
開いた先にいたのは、父方の祖父だった。
「おじいちゃん?」
「奏ちゃん帰ってたのか」
祖父は私を見て嬉しそうに笑った。
どうやら玄関に靴が置いてあったが気づいていなかったらしい。
「なんでおじいちゃんここにいるの?」
祖父はここから遠いのもあってあまり来ない、来るとしてもお盆か年末年始ぐらいだ。
「それは…」
あまりの珍しさにそう質問すると、祖父は言っていいのか悩んでいる様子だった。
すると母が答える。
「奏、明日からあなたはおじいちゃんの家で暮らすの」
「え…?」
頭の中が真っ白になった。
「奏ちゃん、急にごめんね…」
おじいちゃんは申し訳なさそうにそう言った。
だけどその謝罪はまったく頭に入ってなかった。
この地を離れるということは、本当にもうつーくんと会えなくなることだ。
自分から切り離しといて都合が良いのはわかってる。
それでもいつかまた会ってあの時みたいに話したかった。
今日の事を謝って今までの関係に戻りたいと考えてた。
ここの地域ならつーくんと同じ中学校になれるから、
いつか話せる機会があると思っていたから。
でもそれは自分勝手過ぎる考えだ。
これは嘘をついてつーくんを突き放し、自分勝手な考えをした天罰だ…
「奏ちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんと暮らすのは嫌か?」
おじいちゃんが心配そうに聞いてくる。
「いやじゃ…ない…」
私はゆっくりとそう答えた。
こうして私は祖父母が亡くなって再び母親と暮らすまで、この地を離れるのだった…
走ってるせいなのか胸が苦しい。
家までは20分もないのに、とても長く感じる。
それに加えて、近づけば近づくほど母親に何を言われるのかが怖くなって足を動かすのが遅くなる。
無断で公園に行ってつーくんに会ったことを確実に怒られから。
そしてつーくんから逃げ出した自分の方も怖い。
逃げ出した時は「つーくんがこれ以上傷付かないように」と思っていたがきっと違う。
あれはただ自分がつーくんに拒まれるのが嫌だったから、たとえ嘘でも一緒にいたいと言ってほしかったから。
…つーくんに嫌われたくなかったから
ようやく家の前に着いたが家の扉を開けるのが怖い。
きっと母は怒っているだろう。
けど仕方ない、自分がやったことなのだから。
これぐらいでもう逃げられない。
「ただ今…」
恐る恐る玄関を開けて入る。
開けた先に母はいなかった、リビングにいるのだろう。
リビングをゆっくり覗くと椅子に座っている母親がいた。
何故か部屋の中の荷物が少なく、段ボールがいくつも置いてあった。
「どこ行ってたの?」
母は私に気づくとそう聞いてきた。
「こう…えん…」
私は小さくそう答えた。
「そう…」
母は怒ると思っていたが、短く返事しただけだった。
何故か嫌な予感がした。
何で最近あんなに荒れていた母がこんなに静かなのか。
そしてリビングにある段ボールは何なのか。
気になっていると突然リビングの扉が開いた。
「圭子さんこれで荷物は全部かい?」
開いた先にいたのは、父方の祖父だった。
「おじいちゃん?」
「奏ちゃん帰ってたのか」
祖父は私を見て嬉しそうに笑った。
どうやら玄関に靴が置いてあったが気づいていなかったらしい。
「なんでおじいちゃんここにいるの?」
祖父はここから遠いのもあってあまり来ない、来るとしてもお盆か年末年始ぐらいだ。
「それは…」
あまりの珍しさにそう質問すると、祖父は言っていいのか悩んでいる様子だった。
すると母が答える。
「奏、明日からあなたはおじいちゃんの家で暮らすの」
「え…?」
頭の中が真っ白になった。
「奏ちゃん、急にごめんね…」
おじいちゃんは申し訳なさそうにそう言った。
だけどその謝罪はまったく頭に入ってなかった。
この地を離れるということは、本当にもうつーくんと会えなくなることだ。
自分から切り離しといて都合が良いのはわかってる。
それでもいつかまた会ってあの時みたいに話したかった。
今日の事を謝って今までの関係に戻りたいと考えてた。
ここの地域ならつーくんと同じ中学校になれるから、
いつか話せる機会があると思っていたから。
でもそれは自分勝手過ぎる考えだ。
これは嘘をついてつーくんを突き放し、自分勝手な考えをした天罰だ…
「奏ちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんと暮らすのは嫌か?」
おじいちゃんが心配そうに聞いてくる。
「いやじゃ…ない…」
私はゆっくりとそう答えた。
こうして私は祖父母が亡くなって再び母親と暮らすまで、この地を離れるのだった…
