しばらく花火を見るどころじゃなくなってしまい、視線は夜空を向いているのに頭は大地のことでいっぱいだった。

大地が今どんな表情で花火を見つめているのかがわからなくて、だけどそれを知ってしまったら後悔しそうで。

自分の選択を正当化するために、隣は向かない。


「……綺麗だね、花火」

「……あぁ、そうだな」


それっきり、言葉は無くなる。

もしかしたら、大地は私が告白するのを躊躇ってると思って、勇気を出して言ってくれたのだろうか。

だとしたら、それは半分正解で。

私は、大地のことがずっと昔から大好きだった。

さっきの告白も、本当に嬉しくて泣いてしまったんだ。

じゃあどうして断るのかと聞かれたら。

これからのことが、私には耐えられそうもなかったからだった。