歯磨きしてくると言って席を立ち、戻ってくると奏多は眠そうでマットレスにあがって枕に顔を埋めた。
ブッ!
「えっ、何?」
奏多は枕から音が鳴りびっくりして枕を上げた。
「何?これ、ブーブークッションじゃん」
「うん、ちょっとどういう反応するかなって(笑)」
「何で……アハハ、音が鳴るだけじゃん、それも枕の下だし……ハハハッ」
奏多はお腹を抱えて笑った。
「あっ、しーっ夜中だよ」
奏多の口を手で塞いだ。
「唯菜が悪い」
モゴモゴとそう聞こえた。
「だって、うちクッションないんだもん、最近、疲れてるみたいだから寝る前にちょっと笑いたいなって……
そんなに大声で笑うとは思わなかった」
奏多は唯菜の手を外した。
「何だよーー可愛い事言ってくれるじゃん」
奏多は私の腰に抱きつき太ももの上に頭を置いた。
頭をなでなでして欲しい合図だ。
こういうのが可愛くて頭を優しく触ってしまう。
「ねぇ、ご飯食べたから運動して寝よかな、いい?」
奏多はパジャマの中に手を入れてきた。
「ダメよ、もう遅い、明日起きれなくなるから……」
私は彼の手を握ってパジャマの中から出す。
「あーあ、もうちょい早く帰れたらよかったなー」
すぐ諦めてくれて枕に頭を置いた。