次の日
「とりあえず行ってくるな」
奏多が帰ってくるとトイレで検査をした。
トイレから出てきた唯菜は笑顔で「パパになるよ」と言った。
「パパ?」うんと言って奏多に抱きついた。
「えーと……う、嬉しい」
唯菜の頭をなでた。
「唯菜、ありがとう」
「まだ早いよ(笑)無事に産まれてからだよ」
「あっ、そっか」
「ふふっ、奏多ったら」
「何すればいいかわかんないけど言ってくれよな」
「うん」
それからはバタバタと忙しかった。
月曜日に2人で午後から休みをとり、産婦人科を受診した。
おめでとうございますと言われお互いの両親に報告し、婚姻届の提出やら諸々の手続きなど……
あっという間に時間は経過していく……
唯菜は産休を取り男の子を出産し、3年後には女の子も出来た。
2人目が出来た時に唯菜は岡田薬品を辞めた。
そしてまた3年後の春……
いよいよ新会社の立ち上げの日がきた。
公認会計士の資格をとった唯菜も社員で、金城グループの株も所有した。
「ママ、明日からお仕事?」
「そうだよ」
「パパの会社なの?パパは社長?」
「うん、社長です、未来(みらい)ももうすぐ1年生だね」
「うん、楽しみ、僕もいっぱい勉強してパパみたいな社長になる!」
ふふっ、さすが金城グループの御曹司の息子だわ、頼もしい……