「ねぇ、奏多」
「うん?」
「奏多はもしかして私が怖いの?」
「え?いや……」
座ってと奏多を椅子に座らせる。
「まず、奏多の趣味は何ですか?」
「プラモデルを作ること……」
「だから自分の部屋が欲しかったのね」
「うん」
「ちゃんと言っても私怒らないからね」
「うん、つい……子供っぽいかなって、言うの恥ずかしくて」
「そんなことないよ、かっこいい奏多も子供っぽい奏多も好きだからちゃんと言ってね」
「うん」
「あとついでに聞きたいことがあるの……」
「何?」
「立木さんとはどういう関係?」
「メーカーの?」
「そう、会社でも噂になってるのよ、仲が良すぎるって、婚約者の私には言えるよね?」
「……彼女は得意先の姪御さんで、まあ俺に好意を……でもちゃんと断ったんだよ」
「個人の電話にかかってくるのは?」
「院長がゴルフ好きで立木さんにも教えてやってくれって言われて仕方なく……」
「得意先は会社の携帯なんだから立木さんも会社の携帯でよくない?」
「俺の得意先の中では結構大きな得意先で、断れなかった」
「私に言えないの?それは」
「言えなかった……」
「女子社員の噂になっていたのは知らなかった?」
「知らなかった、仕事終わってから打ちっぱなしは誘われたら行ってた」
「2人で?」
奏多は頷いた。
私は部屋を出て、夕食の支度を始めた。
仕方ないか、彼女いない事になってたし、ご飯くらいは……
ケンカなんてしたくないのに……
でも今じゃないとこのまま結婚してもだめだ。
「奏多、ちょっと来て」
部屋から奏多が出てくる。
リビングに唯菜は座った。
「奏多、ちゃんと話そ、奏多はこれから社長になるんでしょ?具体的に話してくれる?」