「あのさ……昨日ごめんな、強引に抱いちまった」
「うん、いいよ、私も信じなかったのが悪いし、これからはちゃんと話そ、結果だけじゃなくてね」
「うん」
「今日、朝礼でしょ、早く食べて」
「うん」
急いで支度をして奏多は会社へ行った。
また1週間が始まる。
「え?プロポーズされた?」
「しーっ、声がでかい」
昼休みに新婚旅行のお土産と言って歩美と美嘉と3人でランチをしていた。
「誰?」
「うーん、ごめん、もうちょっと待って」
「唯菜って彼氏いたんだ、何で今まで黙ってたの?」
美嘉に聞かれる。
「秘密っていうし」
「何でよ」
「私が聞きたいわ(笑)不安だったよ、でもまあ一応プロポーズしてくれたから今話してるんだけどね」
「仕事辞めるの?歩美に子供が出来たら私一人になっちゃうじゃん」
「まだそこまでは話してないの、昨日遅かったからね」
歩美はふふふっと笑っていた。
美嘉が先に戻ると歩美は相手は金城くん?と聞いてきた。
「え?何で?」
「私がデートについてきてって言ったじゃん?」
「うん」
「あの時金城くんが唯菜がいいって言ったのよ」
「嘘、知らなかった、確かにあれから話すようになったよ」
歩美もそこまで本気とは思ってなかったらしい。
付き合ってるって聞かないしね、と言っていた。