唯菜は奏多から本を取りテーブルを片付けた。
「何か食べた?」
「うん、空港で時間があったから食べた」
「じゃあお風呂どうぞ」
「うん、あっお土産」
「ありがとう」
奏多がお風呂から出るとリビングで唯菜はテレビを見ていた。
「会社用のお土産は玄関に置いたから明日忘れないでね」
「うん」
唯菜はホントよく気づく女なんだよな、前には出ないけど意外と姐御肌で唯菜の言うことは俺も素直に聞ける。
ベッドの上ではめっちゃ甘えてくるし……
「唯菜」
「ん?」
「さっきの中にあった本……」
「うん」
「公認会計士の資格を取ってって言ったらどう思う?」
「何で?って思う、今の経理課で役に立ちそうなものを選んでみただけだから正直どれだけ仕事に役立つかまだわかってないの」
奏多は沖縄での会社の話をした。
「金城グループって凄いのね、奏多のお父さんも社長なんだ」
「うん、父さんはリゾート開発を主にしている」
「奏多は御曹司ってことか、すごい世界だね、私には株とかよくわからないけど」
「ただ、俺はね、新しい会社を立ち上げたいと考えてるんだよ」
ポカンと唯菜はしていた。
「沖縄には帰らずこっちで仕事をしたいと思ってるんだ、まだまだ勉強が必要だけどね、そしてその側には唯菜がいてくれるといいなと思っているんだ」
「えっ、それって……」
「うん、俺についてきて欲しい、結婚したいと思ってる」