「おいおい、雄飛は奏多の彼女に会ったのか?」


「あ、父さん」


奏多の両親がお酒を手にしてやってきた。



「うん、引越しして今同棲してるんだよ、料理が上手くて、美人で凄く魅力的な人」



「お前が言うな……やっぱり調べるんだよな」



「今は昔ほどじゃないさ、警察にお世話になったとかじゃないなら会長も認めるだろう、時代はかわっていく」




「そっか、まあ心配はしてない、いい大学も出てるし」



「兄ちゃんはあまり過去の事は気にしないからな、兄ちゃんがどんだけ遊んでたのって絶対に言ってないだろ(笑)」



「なんだよ人聞きの悪い、そんなに遊んでないよ」



「認めないんだ(笑)」



「唯菜に言うなよな」



「あっ、認めた(笑)」


「奏多、そこまで決めてるんなら1度連れて来なさい」



「母さん、わかったよ、話してみるよ」


奏多は日曜日の最終便で東京に戻った。



「ただいま」



ん?いつもなら出迎えてくれるのに……




「唯菜?」



リビングダイニングは電気がついてるからいるのは間違いないだろう



「風呂か、ん?」



ダイニングテーブルには簿記をはじめ、色々な資格の本が置かれてあった。



本を手に取り見ていると、ガチャっと浴室のドアが開き唯菜が出てきた。



「あ、お帰り」



「ただいま、これどうしたの?転職でもする気?」




「あっ……ううん、ただスキルアップしたいなってちょっとだけ思って適当に何冊か買ってみたの」