「兄ちゃん」


「ん?」


「その……唯菜さんと結婚するの?」


「そのつもりだけど……」




「唯菜さんとはちゃんと話したの?」


「何を?」



「色々……」



「ん?まだプロポーズはしてないけど一応その為にあのマンションを借りたつもりだけど……」



「兄ちゃんは同棲を決めた時に唯菜さんに先のことを考えての事とかは言ったの?」



「……いや、マンションの更新時期が同じだったから、それに会社の近くに住みたかった」



「そういうとこだよ、兄ちゃん、結婚したいならそういう事を言わないと女性はわからないよ」



「ちゃんとお前が上京した時の部屋まで用意したんだぞ」



「俺のことより唯菜さんの事を考えなよ」



「さっきから何を言ってるんだ、わからない、ちゃんと唯菜とは仲良いよ」



「俺達兄ちゃんの携帯にかかってきた女性の名前を見たんだよ、唯菜さんが持って行っただろ?」



「あ、あぁ……」


「誰だよ、あの人は」



「メーカーさんだよ、仕事関係の人だ」



「休みの日に?個人携帯?会社用は携帯支給されてるんだよね」



「何で知ってんだ」



「買い物行った時に聞いた、唯菜さん気にしてたよ」



「唯菜は別に何も言ってなかった……」



「よっぽど兄ちゃんの事が好きなんだね、浮気とかしてないよな?」



「してない」


「それならいいけど……俺は唯菜さんと結婚するのは賛成」