奏多は終わると頭を撫でてくれた。
「唯菜……」
「ん?」
「やっぱりその言いたい?」
「奏多は私を何年彼氏なしにするつもりなの?ホントに好き?」
「うん、好き」
「うちの会社恋愛禁止じゃないし、奏多が遊びたいのかと思っちゃう、まあ信じてるよ、信じてるから理由を聞きたいの」
まず1つ聞きたいことを聞けた。
「俺な、まだ時期は決まってないけど多分岡田薬品を辞めなきゃいけなくなる」
「え?」
「俺だって本当は辞めたくないけど実家の仕事を手伝わなきゃいけない時がくるんだ、多分30歳までには」
何言ってるの?今日からここに住むのに……
30ってあと3年だよ?
実家って沖縄?
「ゆ、雄飛くんが来たことと関係はあるの?」
「少しは」
奏多は服を着せてくれた。
でも今はまだ何も決まってないよと……
付き合いを隠しているのは俺が会社を辞めた時に唯菜が絶対噂になるからだ、俺が辞めてからも付き合っていると言っても絶対噂にはなるし、信じてもらえないかもしれない。
唯菜が仕事をしにくい状況を作るのは嫌なんだ。
年齢的にもそろそろ結婚を考えてもいい時期だけど、俺の方がまだ悩んでるのは確かなんだ。
「私の為?」
「良くいえばそうだけど、その事で唯菜が辛いなら付き合ってると言ってもいいとは思うけど、唯菜も責任ある仕事を任され始めただろ」
まだはっきりしてないから余計に言えなかったと言われた。