「雄飛くん、晩御飯は食べていくの?」
「いや、多分食事すると思う」
「ねえ、会うのって彼女とか?」
「残念ながら男だよ(笑)」
そっかと言いながら夕食の支度を始めた。
19時を過ぎると奏多を起こしに行った。
「奏多、そろそろ起きない?」
ゆっくりと目が開いた。
両手を出して来たからひっぱって起こす。
「体調悪いの?」
「いや、単なる寝不足」
「でも今週は家に帰ったから早めに仕事は帰れたんでしょ?」
「んー」
曖昧な返事が返ってくる。
誤魔化した?
立ち上がって唯菜の頭をなでながらリビングに行った。
「おっ、とりあえずダンボールは各部屋に運べたんだな」
「雄飛くんが頑張ってくれたよ」
「雄飛は?」
「友達から連絡あってさっき食事に行ったよ」
そっかというとダイニングテーブルに座りご飯を食べ始めた。
「雄飛とは気が合いそうだな」
「あっ、うん、とてもコミュ力が高いよね」
「まあ、それがあいつの強みだな」
「奏多もうまくこなせるじゃない、笑顔が素敵な営業マンだからさ」
「まあ、そればかり身についてさ(笑)」
この2年はケンカらしいことをしたことはないのだ。
基本奏多は優しいし、声も荒らげることもしない。
寝起きがたまに悪くて私が少しイライラしながら起こすけど、ごめんと言われたら許しちゃう。