ひと休みしましょうと声をかけた。
「いただきます」とおにぎりを食べた。
「雄飛くんは奏多といくつ違うの?」
「3つ、今24です」
「今日来ること、奏多は知ってるのよね?」
「はい、でも飛行機のキャンセル待ちだったんで、何時に来るとは言ってなかったから」
そういうことね
「このスープうまい!」
「奏多と食の好みは一緒なのね(笑)」
コンソメスープをキューブ状に冷凍しておいてお湯をいれたらすぐ飲めるように奏多のために作り置きしているのだ。
雄飛くんは末っ子気質だからか人懐っこくて私とも楽しく話してくれた。
「楽しそうだな」
いつの間にか奏多が部屋に入ってきていた。
「あ、奏多」
「兄ちゃん、久しぶり」
「俺の昼飯は?」
おにぎりのお皿を見るとなくなっていた。
「あっ、ごめん、無くなっちゃった」
「はあ?」
「俺が食っちゃった、唯菜さんのおにぎり超うまかった」
奏多の分もあったはずなのに、雄飛くんは食欲が旺盛だったようであっという間になくなっていたのだ。
「奏多、買い物に行きたいんだけど、お米も買わなきゃだし」
「雄飛と行ってこいよ、俺はちょっと寝たい、スープだけちょうだい」
「あっ、わかった…」
ダイニングテーブルに携帯と会社の携帯、財布と鍵を置き、持ってきた荷物を部屋に持っていく。
マグカップを出しケトルが止まるのを待っていると奏多の携帯が鳴り始めた。
画面には立木梨花(たちきりか)と出ている。
「唯菜さん知ってる人?」
雄飛くんも見ていた。
「メーカーさんの名前だと思う、最近仲良いみたいよ」
唯菜は携帯を持って渡しに行く。