新しい広いベッドで1晩寝ると少し気持ちも落ち着いた。



引越し業者さんが来て、荷物を運び込む。



えっ、奏多の荷物が意外と多い。




「お世話になりました」と挨拶を済ませ、まずは自分の荷物の荷解きをしていく。




ピンポーンとインターフォンが鳴った。



奏多?でもまだ早いし……



モニターを見ると知らない男の人が立っていた。



誰?


一応「はい」と返事をした。



「あれ?金城奏多の部屋じゃないですか?」




「そうです」



「手伝いに来ました、弟の雄飛(ゆうひ)です」



「あっ、弟さん、どうぞ」



オートロックを解除した。




玄関を開けると奏多よりひと回り大柄な男性が入ってきた。



「えっと、奏多は昼過ぎに来る予定です」


「昼過ぎかー、早すぎたか」


「あの、馬場唯菜と申します」

「はじめまして、兄ちゃんの彼女っすか?」


「……はい」


弟さんは隠さなくていいのよね、泊まりに来ると言っていたから私が居ることも把握済みと……




隠しているからうまくごまかさないと、と思ってすぐに返事が出来なくなっている。



「えーっと、今奏多の荷物が届いたから奏多の部屋に運んでもらえると助かります」



「かしこまりましたー」



荷物を運び終えるともうお昼だった。



「あの、お昼簡単なものでいいかな?奏多が来てから買い物に行こうと思ってて……」


「はい、何でも食えます」