しばらくしてマンションの内見に行くことになった。
何件か目星はつけたけどキッチンとかは唯菜が選んでと言われて行ったのだが全部が高級マンションで唯菜はびっくりする物件ばかり
「ねぇ、3LDKもいらないでしょ?」
「んー、小さくていいから自分の部屋が欲しいんだよ」
「仕事は持ち帰り禁止なのに家ではしないでしょ?」
「まあ、今はな」
今はって……?
「部屋が欲しいのはちょっと譲れない、あと1部屋空き部屋も欲しいんだ、それと唯菜との寝室、だからそれくらいの間取りになるだろ?」
「うーん」
考えていると奏多が寄ってきて、耳元でHの時の声を聞きたいから広いほうがいいしなと囁かれた。
やっ、もう〜
唯菜は真っ赤になった。
不動産屋さんもいるのに恥ずかしい
まあ、確かにだけどこの間取りは普通に子供がいる家庭の広さだよ、家賃とか払えるかな
「間取りはわかったけどそれならもう少し古くないと家賃が大変でしょ、お互い出すとしてもさ」
「家賃は俺が出すから心配するな、食費とかを唯菜は出してくれると助かるな、肉多めで(笑)まだ家賃交渉もするし」
それは、結婚の事を考えてくれてる?それとも……
3件まわって資料を不動産屋さんにもらい1週間以内に決めることにした。
春は引越しのシーズンだし早く決めなきゃ引越し業者さんも手配が出来ない。
3件とも会社に近く、飲み会の多い奏多には最適だった。