奏多はゴロンと横になった。



「あー、腹いっぱいになった」



「一気に食べたからきついね(笑)私の実家ではね、その年の方角を向いて笑いながら食べると福がくるって言われてたの」




「へぇーそうなんだ」



「食べる前に聞けばよかったね(笑)」



「だな(笑)」



去年は平日だったから一緒には食べなかったのだ。




私はまだ残ってる巻き寿司を手に取る。




「自分で作っといてだけど、美味し!フフッ」



「どした?」



「だって、この太さのを口に入れるなんて凄いなって」



「まあ、口を広げすぎて痛えや(笑)」




奏多は口の端を触っていた。




「大丈夫?切れてない?」




私は奏多の口元を親指でなぞり顔を覗き込んだ。


「ん、大丈夫」




彼は私の手首を引っ張り彼の顔がすぐ側に



「食べたい……」




「あっ、まだ残ってるよ、ハーフの食べる?」




「違うよ(笑)」



奏多の手が頭に添えられてキスをされた。




「……っ、びっくりした、私まだ食べてるのに」



「唯菜が煽るから……」



「煽ってないよ」



「口を触ってくるからだよ」



「痛いかなって……」



「早く残り食べろよ」



「食べるけど……あっ!」



奏多は私の持っていた巻き寿司を取り上げた



「えー」


「やっぱり待てない、後でな(笑)」



「もう〜(笑)」