「な、何を言って……」
とんでもないことを言われた俺は、口をぽかんと開けて彼女を見つめる。
そんな俺を見て、彼女は頬を緩める。
「キングゴーレムといい、キングアイスドラゴンといい、私がダンジョンから出したものをことごこく倒して見せるなんて……嬉しいわ」
今なんと……
「この間の騒ぎと、今の騒動も全部あなたがやったことか!?」
俺が彼女を指差していうと、彼女は返事をする。
「そうよ」
「なぜだ」
俺の問いに、彼女は目を細めて鋭い眼差しを向けて言う。
「簡単なことよ」
「ん?」
「日本ダンジョン協会に巣食っている無能どもを駆除し、君みたいな人がより評価される世界を作るため。だから君の力を直接私の目で確かめる必要があった」
「なに?」
俺は顔を顰めた。
彼女はほくそ笑む。
「だって、おかしいでしょ?日本ダンジョン協会が定めたルールに則って頑張ってきたエリートたちは、なんの役にも立たなかった。むしろ邪魔だったでしょ?」
「……」
否定できない。
「君を無視してきたさっきのイキった無能男のような連中が、ダンジョン協会にははいて捨てるほどいるの。私は、そんな連中を全部殺して、そいつらが享受してきた名誉と財産を、恵まれてない能力者たちに分けてあげようとしてるんだ。だから、無能力者の祐介、私のところにおいで」
「……」
言って、彼女は頬をピンク色に染めて愛くるしい子供を見つめるように俺を見る。
「ずっと可愛がってあげるわ。私が、祐介の心を快楽で満たしてあげる。私一人でね」
彼女の色っぽい言葉は俺の耳に入った。
「っ」
脳に電気が流れる気分だ。
だが、
「そんなことをすれば、混乱を招くだけだ!」
と、俺が抵抗するようにいうと、彼女は大人の余裕と言わんばかりに腕を組む。
おかげで、ただでさえ大きな胸が強調されてしまう。
「混乱の後は、もっとマシな世の中が待っている」
「……たとえ、そうだとしても、SSランクを市街地に持ち込むというあなたのやり方は間違ってる!」
「優しいね。そのまっすぐな優しさ、欲しくなっちゃう」
「話を逸らすな!」
俺が猛抗議しても、目の前の美女は微笑むだけだ。
「ふふふ、SSランクのモンスターを解放した私、SSランクのモンスターの退治になんの役にも立たず、祐介を決して認めようとしないダンジョン協会。誰が正しい?」
「……」
「奴らは頑固でね、決して自分のルールを変えないんだ。ルールを守った人のみ評価し、そうじゃない人は徹底的に排除する」
「……」
「これからダンジョン協会の無能っぷりを見る機会が増えるんでしょうね」
「あなたは……誰だ……」
俺が問うと、彼女はドローンを意識してドヤ顔を浮かべる。
「血の女王」
「ち、血の女王?」
血の女王。
聞いたことある。
能力者からなるテロ組織のトップに君臨する人だとネットとかのニュースで流れていた。
「おいおいマジかよ……あれが血の女王」
「女王と呼ばれるだけの美貌だぜ」
「謎に包まれたテロ組織のトップ……」
周りにいる特殊部隊員らの動揺する声が聞こえてきた。
彼女は特殊部隊員らをゴミを見るような目で睥睨したのち、俺に近づく。
「っ!」
至近距離。
あり得ない。
この俺が許してしまうなんて……
彼女は右手で俺の手を鷲掴みにし、左手で俺の太ももの内側を触る。
おかしな気分だ。
「っ!!」
「私ね、祐介のこと諦める気ゼロだから」
「……俺の体に何をした?」
「何もしてないわ。祐介の体を感じているだけ」
「何?」
戸惑う俺に、聞き慣れた声が聞こえてくる。
「祐介!」
「祐介くん!」
「お兄ちゃん!」
理恵と美人姉妹の登場だ。
3人は非常に息を弾ませながら俺と血の女王を見つめている。
血の女王は目を丸くして美人姉妹を見つめて小さな声を出す。
「友梨ちゃん、奈々ちゃん、久しぶりね」
彼女は素早く俺から距離を取った。
「祐介、またやってくるから。チュル……」
よだれを垂らす血の女王は消えてしまった。
とんでもないことを言われた俺は、口をぽかんと開けて彼女を見つめる。
そんな俺を見て、彼女は頬を緩める。
「キングゴーレムといい、キングアイスドラゴンといい、私がダンジョンから出したものをことごこく倒して見せるなんて……嬉しいわ」
今なんと……
「この間の騒ぎと、今の騒動も全部あなたがやったことか!?」
俺が彼女を指差していうと、彼女は返事をする。
「そうよ」
「なぜだ」
俺の問いに、彼女は目を細めて鋭い眼差しを向けて言う。
「簡単なことよ」
「ん?」
「日本ダンジョン協会に巣食っている無能どもを駆除し、君みたいな人がより評価される世界を作るため。だから君の力を直接私の目で確かめる必要があった」
「なに?」
俺は顔を顰めた。
彼女はほくそ笑む。
「だって、おかしいでしょ?日本ダンジョン協会が定めたルールに則って頑張ってきたエリートたちは、なんの役にも立たなかった。むしろ邪魔だったでしょ?」
「……」
否定できない。
「君を無視してきたさっきのイキった無能男のような連中が、ダンジョン協会にははいて捨てるほどいるの。私は、そんな連中を全部殺して、そいつらが享受してきた名誉と財産を、恵まれてない能力者たちに分けてあげようとしてるんだ。だから、無能力者の祐介、私のところにおいで」
「……」
言って、彼女は頬をピンク色に染めて愛くるしい子供を見つめるように俺を見る。
「ずっと可愛がってあげるわ。私が、祐介の心を快楽で満たしてあげる。私一人でね」
彼女の色っぽい言葉は俺の耳に入った。
「っ」
脳に電気が流れる気分だ。
だが、
「そんなことをすれば、混乱を招くだけだ!」
と、俺が抵抗するようにいうと、彼女は大人の余裕と言わんばかりに腕を組む。
おかげで、ただでさえ大きな胸が強調されてしまう。
「混乱の後は、もっとマシな世の中が待っている」
「……たとえ、そうだとしても、SSランクを市街地に持ち込むというあなたのやり方は間違ってる!」
「優しいね。そのまっすぐな優しさ、欲しくなっちゃう」
「話を逸らすな!」
俺が猛抗議しても、目の前の美女は微笑むだけだ。
「ふふふ、SSランクのモンスターを解放した私、SSランクのモンスターの退治になんの役にも立たず、祐介を決して認めようとしないダンジョン協会。誰が正しい?」
「……」
「奴らは頑固でね、決して自分のルールを変えないんだ。ルールを守った人のみ評価し、そうじゃない人は徹底的に排除する」
「……」
「これからダンジョン協会の無能っぷりを見る機会が増えるんでしょうね」
「あなたは……誰だ……」
俺が問うと、彼女はドローンを意識してドヤ顔を浮かべる。
「血の女王」
「ち、血の女王?」
血の女王。
聞いたことある。
能力者からなるテロ組織のトップに君臨する人だとネットとかのニュースで流れていた。
「おいおいマジかよ……あれが血の女王」
「女王と呼ばれるだけの美貌だぜ」
「謎に包まれたテロ組織のトップ……」
周りにいる特殊部隊員らの動揺する声が聞こえてきた。
彼女は特殊部隊員らをゴミを見るような目で睥睨したのち、俺に近づく。
「っ!」
至近距離。
あり得ない。
この俺が許してしまうなんて……
彼女は右手で俺の手を鷲掴みにし、左手で俺の太ももの内側を触る。
おかしな気分だ。
「っ!!」
「私ね、祐介のこと諦める気ゼロだから」
「……俺の体に何をした?」
「何もしてないわ。祐介の体を感じているだけ」
「何?」
戸惑う俺に、聞き慣れた声が聞こえてくる。
「祐介!」
「祐介くん!」
「お兄ちゃん!」
理恵と美人姉妹の登場だ。
3人は非常に息を弾ませながら俺と血の女王を見つめている。
血の女王は目を丸くして美人姉妹を見つめて小さな声を出す。
「友梨ちゃん、奈々ちゃん、久しぶりね」
彼女は素早く俺から距離を取った。
「祐介、またやってくるから。チュル……」
よだれを垂らす血の女王は消えてしまった。