いつからだったかな。
君から目を離せなくなったのは。
高校二年の七月。
もうすぐ、夏休みだ。
放課後の帰り道を幼馴染の裕也と二人で歩いていた。
「でさ、アイツがさ、俺のシューズ、持っていったんだ。だから、明後日のバスケの練習、どうしようかと思ってんだけど...未玖?」
裕也が私の顔を覗き込む。
「えっ?!」
「顔、赤いぞ。水あるか?」
「あっ、うん!あるよ!今日も暑いから、ちゃんと、
水分。取らないとね!」
私が慌てて答えるから、少し、顔をしかめたけど、頷いてくれた。
「?...未玖が大丈夫なら、いいけど」
さっきのは、近すぎる。
いつからかは、覚えていない。
だけど、私は裕也を好きになっていた。
「アイス、食べるか」
「いいね」
いつか、私の気持ちを裕也に聞いてほしい。