隣の彼はいつも寝ている。


授業中も


ホームルームの間も


そんなに寝てどうするんだか、、、


そんなことを思いながら隣で寝ている彼を私は見つめていた。


「河上聞いてるかー」


担任の武田先生が彼に声をかける。


しかし彼はピクリとも動かない。


何度も声をかけられるがやはり彼は眠ったままで先生は次第に苛立ち始める。


早く起こさないと絶対怒られる、、、


そう感じた私は急いで彼の肩を叩いて起こそうとするがやはり目を覚さない。


「河上!!」


先生に近くで怒鳴られ、彼ははっと目を覚ます。


遅かった、、、


しかし、先生は説教を始めず英語課題のことだけ伝え戻って行ってしまった。


やっぱり先生も気を使っているのかな、、、


武田先生は、怒ると怖いが本当はとても優しい人なことを意外とみんな知らない。


透《とおる》がサッカーが出来なくなってしまってから武田先生はずっと気にかけており、透と幼馴染である私によく相談をしてきた。


先生も大学時代に怪我でプロを目指すことを諦めている。


今日説教できなかったのもその影響だと私は思っている。