高校に入ってからは変な蟠りも消え、また元のように話せる関係に戻ることが出来た。

おかげでお互いを励まし合いながら日々の練習に臨むことが出来た。


だから私はどんなに辛くても進むことが出来た。


透は中学とは比べ物にならないほど上手くなり、次期キャプテン候補となるほどだった。


けれど春先に行われた練習試合で相手チームから悪質なタックルを受け、大きな怪我を負ってしまった。


手術は無事成功したが、サッカーを再びできるようになるのに半年以上かかると言われ、事実上最後の大会を諦めざる得なかった。


全国に行くことが出来なくなり目標を失ったなった透は、今のような自堕落な人間になってしまった。


私は彼を励まそうと色々考えたが、所詮は部活ができる者の上から目線の慰めになってしまう。


それではきっと届かない。


私に出来ることは、彼との約束を守って私だけでも全国に行くことだけだ。


そしていつか貴方も進んで欲しい。


私は待つことしか出来ないから。